2009年特別講演会

2009年 赤坂会 特別講演会(忘年講演会)を終えて


12月13日東京国際フォーラムにて特別講演会および忘年会が行われました。今年度も70名以上の参加者が集まり盛大に行われました。

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特別講演会として前半では寺西邦彦先生より「peri-implantitisを再考する」といったテーマにてご講演頂きました。近年の歯科会におけるインプラント治療の普及により多くの患者さんが恩恵を受けると共に、そのメインテナンスの重要性やインプラント周囲炎に対する対応が重要視されるようになってきていることも事実です。

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私を含め、まだインプラント治療を行って長期に渡って経過を追っていない若手~中堅の歯科医が多い赤坂会ですが、既にインプラントが口腔内に存在し、さらにはインプラント周囲炎に罹患している新患患者さんに遭遇する機会が少なくないことも事実となっております。そのようななかperi-implantitisに関しての講演を聴く機会は非常に貴重な経験となりました。講演内容として、まずperi-implantitisの発症機構に関する解説がありました。寺西先生ご自身の症例から咬合に起因するimplant lossの場合は骨吸収がfixtureの先端まで一気に進むが、一方でプラークに起因したperi-implantitisは上部構造側に骨吸収が限局するといったご考察をなされていました。また、メインテナンスを考慮した上部構造の形態についてのご考察があり、審美性を追求するあまりインプラント周囲粘膜下のカントァーを大きくとりすぎることで縁下のメインテナンスがとりにくくなってしまうことを我々若手~中堅歯科医やテクニシャンに警告して頂きました。ご講演の最後には、インプラント周囲炎に対する外科的対応方法について、グリシンパウダーを用いたエアーフローでの使用例を挙げて頂き、後半の竹内先生のご講演へと続きました。

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  後半では、竹内泰子先生に「歯周治療、インプラント治療のメインテナンスにおけるエアーフローの有用性」といった演題にてご講演頂きました。会場には竹内先生とともにスカンジナビアの歯周治療を30年以上に渡って日本に紹介して頂いた岡本浩先生もご同席されました。寺西先生のご講演でも提示して頂いたように、エアーフローはインプラント周囲炎の外科的対応時にフィクスチャーのバイオフィルム除去法として注目されているものですが、ヨーロッパでは既に歯周治療での応用が行われておりその最新の知見についてご講演頂きました。講演内容は、まず、キュレットを用いた歯根表面のデブライドメント時に起こるオーバーインスツルメントは後に根面カリエスの発症という重篤な結果を招く危険性について基礎的データや症例を挙げて説明頂きました。そして、以前よりスカンジナビアではこれを危惧し超音波スケーラーを頻用していたようですが、今回はそれをさらに突き詰めた形で、根面のバイオフィルム除去にグリシンパウダーを用いたエアーフローが有効であるといった内容を、基礎データから症例まで提示していただきました。私自身、歯根面のインスツルメントとしてキュレットと超音波スケーラーによる方法は完全に確立したものとして考えていたので衝撃的でした。講演は、とても熱のこもった丁寧なもので、予定の質疑応答の時間もなく懇親会へと向かうこととなりました。

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 さて懇親会ですが、毎年恒例のビンゴ大会は例年にも増して景品が豪華で品数も多く大盛況でした。

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また、Awardの発表ではTerry's awardにDT関さん、Akasaka awardにDR森山先生、新人賞にDH伊東さんと、今年度のスローガン「Total Balance」を象徴する結果となりました。


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 さて、今回寺西先生と竹内先生お二人のご講演を聴講し、お二人に共通した歯科医師としてのある姿勢に気が付き、感銘を受けました。それは、ご自身の症例を振り返り、実際に起こってきた問題に対して真っ向から立ち向かいそれを解決に導こうといった姿勢です。むしろ、お二人の先生の臨床で問題の起きているケース自体多くないにもかかわらずです。このような姿勢で日々の臨床を行っている結果、お二人のような臨床家になれるのだと確信いたしました。明日からの臨床に生かしてゆこうと思います。

エド日本橋歯科勤務 高田貴虎