2011年2月6日に2010年度第三回赤坂会例会が晴天の中、東京国際フォーラムにて開催されました。
今回のテーマは、「次世代を担う赤坂会会員による症例検討会」と題して、赤坂会会員の中でも若手中心の選抜メンバーによる発表が行われ、また最後にエド日本橋歯科の藤田大樹先生による模範発表が行われました。
会長挨拶の後、プログラムチェアマンである高田先生より今回の趣旨説明があり演者選出にあたっての熱海合宿などについても報告がありました。発表者それぞれの指導にあたった先生のコメントもいただいて、若手会員とベテラン会員の違いはなにか?若手のレベルアップには何が必要か?に着目して会員の発表が始まりました。
はじめに、岩本町デンタルクリニックご勤務の雫田義和先生より「上顎中切歯1歯補綴~ハーフポンティックテクニックを用いて審美的回復を行った症例~」という演題で発表していただきました。本症例は2010年度熱海合宿にて選定され、QDT2010年1月号にも掲載されたケースでした。基礎資料の収集、診査・診断から始まり、一本の補綴治療にしてもきちんとしたゴールを目指して治療していく姿勢は若手にとっても大変刺激を受けました。
次に、としデンタルクリニックを開業されている三浦利之先生より「上下顎総義歯にて咬合と審美性を回復してケース~ブランチングテクニックをつかって~」という演題で発表していただきました。本症例は2009年度熱海合宿で金賞をとられたケースで、寺西先生に教わった通りのステップを踏んで、下顎の治療用義歯の安定に苦慮されたケースで、会場の総義歯の経験があまりない会員からも義歯の舌側面形態や咬合高径についてもディスカッションが深まりました。飯沼先生の「基本をまねる上での、自身での試行錯誤とフィードバックが重要だ」というお言葉が印象的でした。
次にBeaux-artsの関さんより「インプラント上部構造の製作法」という演題で発表していただきました。本症例は2010年度熱海合宿にて銅賞をとられたケースで、上部構造の製作から依頼されたものでした。今回の例会では唯一の技工士からの発表ということで会場の技工士会員からも多くの質問がありました。最終的補綴物の美しさには目を奪われるものがあり、会場からもため息の声がきかれましたが上顎の補綴物のメインテナンスに関しては、難点が残ってしまい、改めて初期治療からのチームアプローチの重要性を認識させられた症例でした。
次にエド日本橋歯科ご勤務の高田貴虎先生により「T.M.Dを伴う重度歯周炎にクロスアーチスプリントのCr.Br.とR.P.Dを施行した症例」という演題で発表していただきました。
本症例は2010年度熱海合宿にて銀賞をとられたケースで、全顎的歯周病や顎関節疾患など複合的な問題を有する難易度の高いものでした。わかっていることわからないことの線引きを明確にされており、細かく再評価しながら治療をすすめられていたので、顎関節疾患、咬合、歯周外科処置などのより踏み込んだディスカッション内容になりました。

最後にエド日本橋歯科で開業されている藤田大樹先生により、「上顎前歯部にチタンメッシュを用いてG.B.Rを行い、インプラントにて機能回復を行った症例」という演題で基調講演していただきました。特に治療中にチタン製のカスタムアバットメントを用いたのにもかかわらず縁下に炎症が起こってしまったことに焦点を絞って自身でのほかのケースや論文を提示して考察していく姿勢は大変参考になりました。会場からも同じような場面に遭遇している先生から数多くの質問があり、ディスカション内容もperi-implantitisに対する考察などの2011年度の例会にもつながってくるものとなりました。

寺西先生による総合ディスカッションでは特にperi-implantitisに関しての寺西先生の考察が示され、清掃不良やアバットメントの形態からくる一次的なものと、咬合などの力学的問題からくるアバットメントスクリューの緩みや破折など二次的なものにわけて考える必要があると説かれました。
今回の例会を振り返って印象的だったのは、「技術能力は一人ひとりの練習の積み重ねで上達できるが、診査・診断・治療計画の能力は発表してディスカッションしていかないと高めることができない。」という藤田大樹先生のお言葉でした。
今まで以上に若手からも質問があり、積極的に参加することで自分を含めてひとりひとりが明日からの臨床に何かを得て前に進めた例会だったと思います。
よしだ歯科クリニック勤務 小森 真樹

発表者の感想

今回の例会では、上顎中切歯1歯の補綴症例を発表させて頂きました。診査・診断を行い、治療計画を立案し進めて行ったケースです。その中で、チームアプローチの重要性、そして1歯の治療でも多くのことを考える必要があることを学ばせてもらった症例でした。
発表後の質疑応答では診断の甘さを指摘されました。他の先生が、どのような所に注意して診断しているのか大変勉強になりました。全顎的な診査をしておきながら、主訴の部分に注目し過ぎて診断を謝らないよう、広い視野をもっていなければと思います。また治療計画に関しても、多くの先生にアドバイスを頂きました。この経験をまた次に活かし、良い仕事をしていきたいと思います。
岩本町デンタルクリニック 雫田義和

例会を終えて思うことは人に伝えることの難しさと、練習不足を痛感しました。
ケースプレゼンテーションはストーリー性と伝えたいことを絞り込むことが大切ということも改めて学びました。
「見るとやるとは大違い」.今回経験させていただいて、言葉にできない多くのことを学ばせていただきました。
チャンスを与えて下さいました赤坂会のメンバー、有り難いお言葉とアドバイスしてくださった飯沼先生、そして私をいつも見守ってくださっている尊敬する寺西先生、本当にありがとうございました。
とし歯科クリニック 三浦利之

今回を含め、私が例会で発表させていただくのは何回目になるだろうか・・・
私は、毎回プレゼン後に自問自答することがあります。
ラボとしてのプレゼンとは何なのか?
ラボサイドのことを先生方にどうやって伝えるべきか?
自分の伝えたい事はどれくらいの人に伝わったのだろうか?などといつも考えたりします。
その半面では「次はこんなプレゼンをしてみよう!」と楽しみな部分も有り、いつも機会を与えていただき感謝しております。次こそは「関にやらせて良かった」と言って頂ける様なプレゼン発表をしていきたいと思います。
Beaux Arts 関 克哉

症例発表を行い様々な意見を頂くことで、今まで気が付かなかったことに気が付くことができました。これはとても貴重なことで、歯科医としての糧となり財産となって必ず今後の臨床に反映されてゆきます。自身の発表でなくても学ぶことは多々ありますが、自身の症例から学べることはもっと大きなものです。また、発表の場が大きくなり参加者が増えるということは、自身の症例に対しそれまで以上に客観性や妥当性といったことが必要となってくるのだとも感じました。
今回は、今までの例会と比べて発表経験の少ないメンバーに機会を与えて頂きました。発表者は寺小屋や合宿で何度も発表をしてきていますが、さらに大きな会で発表することで得られたものはより大きいと感じています。今後はもっと多くのメンバーが発表することで、グループ全体の活性化とレベルアップに繋がってゆくことを期待します。
症例発表・プログラムチェアマン 髙田貴虎
今回のテーマは、「次世代を担う赤坂会会員による症例検討会」と題して、赤坂会会員の中でも若手中心の選抜メンバーによる発表が行われ、また最後にエド日本橋歯科の藤田大樹先生による模範発表が行われました。
会長挨拶の後、プログラムチェアマンである高田先生より今回の趣旨説明があり演者選出にあたっての熱海合宿などについても報告がありました。発表者それぞれの指導にあたった先生のコメントもいただいて、若手会員とベテラン会員の違いはなにか?若手のレベルアップには何が必要か?に着目して会員の発表が始まりました。
はじめに、岩本町デンタルクリニックご勤務の雫田義和先生より「上顎中切歯1歯補綴~ハーフポンティックテクニックを用いて審美的回復を行った症例~」という演題で発表していただきました。本症例は2010年度熱海合宿にて選定され、QDT2010年1月号にも掲載されたケースでした。基礎資料の収集、診査・診断から始まり、一本の補綴治療にしてもきちんとしたゴールを目指して治療していく姿勢は若手にとっても大変刺激を受けました。
次に、としデンタルクリニックを開業されている三浦利之先生より「上下顎総義歯にて咬合と審美性を回復してケース~ブランチングテクニックをつかって~」という演題で発表していただきました。本症例は2009年度熱海合宿で金賞をとられたケースで、寺西先生に教わった通りのステップを踏んで、下顎の治療用義歯の安定に苦慮されたケースで、会場の総義歯の経験があまりない会員からも義歯の舌側面形態や咬合高径についてもディスカッションが深まりました。飯沼先生の「基本をまねる上での、自身での試行錯誤とフィードバックが重要だ」というお言葉が印象的でした。
次にBeaux-artsの関さんより「インプラント上部構造の製作法」という演題で発表していただきました。本症例は2010年度熱海合宿にて銅賞をとられたケースで、上部構造の製作から依頼されたものでした。今回の例会では唯一の技工士からの発表ということで会場の技工士会員からも多くの質問がありました。最終的補綴物の美しさには目を奪われるものがあり、会場からもため息の声がきかれましたが上顎の補綴物のメインテナンスに関しては、難点が残ってしまい、改めて初期治療からのチームアプローチの重要性を認識させられた症例でした。
次にエド日本橋歯科ご勤務の高田貴虎先生により「T.M.Dを伴う重度歯周炎にクロスアーチスプリントのCr.Br.とR.P.Dを施行した症例」という演題で発表していただきました。
本症例は2010年度熱海合宿にて銀賞をとられたケースで、全顎的歯周病や顎関節疾患など複合的な問題を有する難易度の高いものでした。わかっていることわからないことの線引きを明確にされており、細かく再評価しながら治療をすすめられていたので、顎関節疾患、咬合、歯周外科処置などのより踏み込んだディスカッション内容になりました。

最後にエド日本橋歯科で開業されている藤田大樹先生により、「上顎前歯部にチタンメッシュを用いてG.B.Rを行い、インプラントにて機能回復を行った症例」という演題で基調講演していただきました。特に治療中にチタン製のカスタムアバットメントを用いたのにもかかわらず縁下に炎症が起こってしまったことに焦点を絞って自身でのほかのケースや論文を提示して考察していく姿勢は大変参考になりました。会場からも同じような場面に遭遇している先生から数多くの質問があり、ディスカション内容もperi-implantitisに対する考察などの2011年度の例会にもつながってくるものとなりました。

寺西先生による総合ディスカッションでは特にperi-implantitisに関しての寺西先生の考察が示され、清掃不良やアバットメントの形態からくる一次的なものと、咬合などの力学的問題からくるアバットメントスクリューの緩みや破折など二次的なものにわけて考える必要があると説かれました。
今回の例会を振り返って印象的だったのは、「技術能力は一人ひとりの練習の積み重ねで上達できるが、診査・診断・治療計画の能力は発表してディスカッションしていかないと高めることができない。」という藤田大樹先生のお言葉でした。
今まで以上に若手からも質問があり、積極的に参加することで自分を含めてひとりひとりが明日からの臨床に何かを得て前に進めた例会だったと思います。
よしだ歯科クリニック勤務 小森 真樹

発表者の感想

今回の例会では、上顎中切歯1歯の補綴症例を発表させて頂きました。診査・診断を行い、治療計画を立案し進めて行ったケースです。その中で、チームアプローチの重要性、そして1歯の治療でも多くのことを考える必要があることを学ばせてもらった症例でした。
発表後の質疑応答では診断の甘さを指摘されました。他の先生が、どのような所に注意して診断しているのか大変勉強になりました。全顎的な診査をしておきながら、主訴の部分に注目し過ぎて診断を謝らないよう、広い視野をもっていなければと思います。また治療計画に関しても、多くの先生にアドバイスを頂きました。この経験をまた次に活かし、良い仕事をしていきたいと思います。
岩本町デンタルクリニック 雫田義和

例会を終えて思うことは人に伝えることの難しさと、練習不足を痛感しました。
ケースプレゼンテーションはストーリー性と伝えたいことを絞り込むことが大切ということも改めて学びました。
「見るとやるとは大違い」.今回経験させていただいて、言葉にできない多くのことを学ばせていただきました。
チャンスを与えて下さいました赤坂会のメンバー、有り難いお言葉とアドバイスしてくださった飯沼先生、そして私をいつも見守ってくださっている尊敬する寺西先生、本当にありがとうございました。
とし歯科クリニック 三浦利之

今回を含め、私が例会で発表させていただくのは何回目になるだろうか・・・
私は、毎回プレゼン後に自問自答することがあります。
ラボとしてのプレゼンとは何なのか?
ラボサイドのことを先生方にどうやって伝えるべきか?
自分の伝えたい事はどれくらいの人に伝わったのだろうか?などといつも考えたりします。
その半面では「次はこんなプレゼンをしてみよう!」と楽しみな部分も有り、いつも機会を与えていただき感謝しております。次こそは「関にやらせて良かった」と言って頂ける様なプレゼン発表をしていきたいと思います。
Beaux Arts 関 克哉

症例発表を行い様々な意見を頂くことで、今まで気が付かなかったことに気が付くことができました。これはとても貴重なことで、歯科医としての糧となり財産となって必ず今後の臨床に反映されてゆきます。自身の発表でなくても学ぶことは多々ありますが、自身の症例から学べることはもっと大きなものです。また、発表の場が大きくなり参加者が増えるということは、自身の症例に対しそれまで以上に客観性や妥当性といったことが必要となってくるのだとも感じました。
今回は、今までの例会と比べて発表経験の少ないメンバーに機会を与えて頂きました。発表者は寺小屋や合宿で何度も発表をしてきていますが、さらに大きな会で発表することで得られたものはより大きいと感じています。今後はもっと多くのメンバーが発表することで、グループ全体の活性化とレベルアップに繋がってゆくことを期待します。
症例発表・プログラムチェアマン 髙田貴虎