2011年度赤坂会第三回例会(レポート)

「インプラントそのトラブルと対応~インプラント周囲炎を中心に~」

 「例会を終えて」
 本例会の目的は、「インプラント治療により起こりうるトラブルを未然に防ぐための診断、手技を明確化する。また、起こってしまったトラブルを解決する方法を明確化する。」でした。 特にインプラント周囲炎については、未だわかっていないことも多く、会員の先生方も試行錯誤でその治療を行っていることが実際でした。 そこで、文献的にわかっていること、実際の臨床における治療効果について、その分野のエキスパートである辰巳先生、鈴川先生に御講義頂き、会員の中でも経験豊富な藤田先生、内田先生にプレゼンテーションのなかでインプラントトラブルに対する日々の取り組みについて語って頂くこととしました。
プログラムチェアマン 吉田 拓志

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2012年2月5日に2011年度第三回赤坂会例会が晴天の中、東京国際フォーラムにて開催されました。今回のテーマは、「インプラントそのトラブルと対応~インプラント周囲炎を中心に~」と題して発表が行われました。 会長挨拶の後、明海大学歯周病学講座准教授であらせられる辰巳順一先生より「インプラント周囲炎 その現状と問題点」と題し、基調講演がありました。先日放送されたNHKクローズアップ現代でも、インプラントが取り上げられたことについても触れられ、インプラントが一般的にも認知されてきたとともにそのトラブルに関しても知っておく必要があるとの説明がありました。インプラント治療の成功の基準の変遷からはじまり、インプラント周囲炎について文献的にわかっていること、未だ不明瞭なところを明確に説明していただき、頭の中が整理されました。特にシュワルツの分類や、フローチャートは大変わかりやすく、今後はさらなる臨床データの蓄積からの知見が期待できそうでした。 午後から広島県で開業されている日本臨床歯周病学会理事であらせられる鈴川雅彦先生より「歯周病学的観点からインプラントを考える」と題し基調講演がありました。臨床的な立場から、症例を多数提示していただき、歯周病学的な立場から細菌検査や血清抗体価検査などの臨床への応用についての説明があり、全身を見据えたうえでのインプラント治療について、ディスカッションも盛り上がりを見せました。 その後会員発表として、エド日本橋歯科を開業されている藤田大樹先生より「Clinical consideration of peri-implant disease in maxillary molar」と題して発表がありました。本症例は2010年度第三回例会でも発表されているケースでインプラント周囲炎に対するさらなる考察とその経過についても発表がありました。他の症例でもアバットメントをはずしてみた上で評価を行い、さまざまなファクターをまとめなおしておられて、アバットメントの形態だけでなく、摂食嚥下との関連性や現在まで出ている文献に対する疑問などについても触れられており、大変刺激的な発表だったと思います。

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次に同じく会員発表として、川崎市にて内田歯科医院を開業されている内田剛也先生より「ブラキシズム患者の#36, 37インプラント補綴;14年目の#36インプラント破折とリカバリー」と題して発表がありました。最初の診査・診断からはじまり、シークエンシャルな流れにのっとり治療をされており、術後のメインテナンス期間中も10年以上に渡って、口腔内写真、レントゲン写真、歯周組織検査などの再評価をされていたのは圧巻でした。メイテナンス期間中も咬合調整などの適切な処置を続けていたのにもかかわらず、患者の生活習慣の変化から思わぬトラブルに見舞われてしまったことに関して臨床の難しさを感じました。 最後に寺西先生による総合ディスカッションでは寺西先生の考察が示され、清掃不良やアバットメントの形態からくる一次的なものと、咬合などの力学的問題からくるアバットメントスクリューの緩みや破折など二次的なものにわけて考える必要があると説かれました。またインプラントの表面性状やマテリアルのこと、最近注目されている光機能化などにまでディスカッションはおよび、時間ギリギリまでまで白熱した議論が飛び交いました。
よしだ歯科クリニック 小森 真樹

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